甲陽学院中学校を志したきっかけは、5年生の時に見たWeb説明会だったと思います。甲陽の先生と、甲陽OBである浜学園甲陽コースの先生との楽しそうなやり取りを見ていると、「あんなに風に話せる先生と生徒の関係を作れる中学校に入りたい」と思いました。
それから少しずつ甲陽を意識して、春期講習で本格的に甲陽を目指しはじめました。1組だったのでベストは取れませんでしたが、苦手な算数を頑張ったこともあり、真ん中くらいの成績で落ち着きました。いつも真ん中くらいの成績で落ち着くので、この時は「この調子で入試までいくだろう」と思って安心しきっていました。
しかし、夏期講習から原因不明の難病に冒されてしまいます。この難病のせいで、いくら勉強しても、その成果が出なくなってしまいました。夏期講習も1組で受講できましたが、テストの結果はさんざんで、成績はクラス最下位でした。また、この時期から公開学力テストの点数も落ち始めました。7月から始まった日曜志望校別特訓では、最初は1組でしたが、テストの点数を思うように取ることができず、2組、3組とじわじわとクラスが落ちていきました。その上、夏頃から自宅で解いていた過去問の点数もふるわなくなっていきました。入試練習も3回目、4回目は不合格になり、秋から冬にかけて成績は落ちていく一方でした。一時は志望校を変えようかと悩みましたが、アドバイザーの先生に励まされ、なんとか思い留まり甲陽を受験しました。
これらの不調はすべて、原因不明の難病のせいでした。「原因不明の難病」とは、ケアレスミスのことです。多かったのは、簡単な計算のミス、問題文を読み違うミス、自分の字を見間違うミス。それまでもケアレスミスはしていたのですが、6年生になり難しい問題を制限時間内に解くことのプレッシャーからミスが多くなり、理解しているはずの問題なのに不正解になってしまっていたようです。このミスのせいで、勉強してもテストの点が良くならず、クラスが落ち、自分に自信がなくなり、気持ちも落ち込みました。ケアレスミスが原因だと分かってからも、長い年月をかけて身につけてしまった癖のようなこのケアレスミスと、その結果起こった自信の喪失はすぐには治すことができず、入試当日まで苦しみました。ですが、甲陽コースの友達と一緒に甲陽に入学したい気持ちも大きかったので、なんとか自分を奮い立たせ、問題を解く際にひたすら丁寧に見直しをすることを心がけ、入試当日は実力を出し切って戦うことができました。
受験生の皆さん、努力したのにうまくいかなくて落ち込むことがあっても、そこには「原因」があるはずです。「原因不明」にせずにその「原因」を見つけ、戦い続けてください。努力はきっと実ります。