受験勉強の思い出は、まず、いろいろなことを知ることができたことだ。例えば、いろいろな植物の科名や、言葉の意味、解法などである。浜学園の先生は、全員面白くて、とても役に立つ事を教えてくださった。授業に関連して派生した面白い知識も教えていただき、普段の生活も豊かになった。
次に、浜学園でできたたくさんの友達だ。授業中に友達とどちらが早く解けるか競ったり、あるいは問題を一緒に解いたりした。自分の進学する学校で友達ができるかなどという心配は全くなかった。電車で通っていたから同じ方面の人と話す時間が長かったということもあるだろう。そもそも中学受験をしようと思ったのは、僕と同じように算数やクイズが好きな友達が欲しかったからだ。だから毎日浜学園に行くのが楽しかった。算数オリンピックで入賞して、友達と一緒に東京の表彰式に行くこともできた。
6年生の1年間は朝から晩まで勉強したことも良い思い出だ。夏休みは、休みと言えないほど勉強した。しかし塾で得る知識は高度で面白く、肉体的には大変だったが精神的には疲れを感じなかった。
そして入試の日は、一番の思い出である。1日目、自分の成績があまり芳しくない気がした。いくら大丈夫と自分に言い聞かせても、夜は不安になり泣いてしまった。しかし、おやすみコールや2日目のミニ講義で国語の先生に言われた言葉で自信がついた。それは、「過去を変えることはできないので、昨日のことは考えずに問題に臨めばいい」という言葉だった。この言葉をいただき、心機一転して2日目の入試を受けることができた。結果は、1日目は普段の成績よりも悪かったが、2日目はかなり高い得点を取ることができ、悲願の合格を果たせた。過去にとらわれずに目の前にあるこれからのことを考えるという事は、今回の中学受験や大学受験だけでなく、これからの人生においても役に立つだろう。僕は中学受験を経ていろいろな思い出を作ることができた。そして、勉強が一層好きになった。