1月14日土曜日7時50分頃、六甲駅でどうしようもない不安と焦りの中、僕はお腹が痛くてトイレにこもっていた。トイレを出た時、六甲学院へと向かう生徒は1人も見当たらなかった。しかし、1週間前は入試を受けられるかさえも不明だった。
年明けに母が新型コロナウイルスに感染し、続いて父、手伝いに来てくれた祖母も感染した。運動会よりも卒業式よりも大事な入試。それが受けられないかもしれないと思った。僕は1ヵ月前にワクチンを接種したのが良かったのか、感染はしなかった。みんなの支え、そして自分の頑張りで何とか受験することができた。
これは断言しておくが、僕は決して天才タイプの人間ではなかった。小学4年生で土曜マスターコースからスタートし、1年間ずっとHクラスで5年生の時やっとSクラスに上がったのだが、算数はなかなか偏差値50を突破することができなかった。5年生の後半にマスターコースに移り、次第に国語が得意教科となり、6年生になる頃にはS1クラス的な立ち位置のSクラスに入ることができた。僕が頑張れたのは行き帰りに友達としゃべれるバスがあったからだった。しかし…算数は公開学力テストでも復習テストでもとても苦戦していた。算数に力を入れ、苦手な濃度の問題や商売の問題などに取り組んだ。算数の先生とは何回も面談を繰り返し、2学期になってやっと公開学力テストで偏差値50を取ることができた!その時はとても嬉しかった。少し経つと偏差値50以上を安定して取れるようになった。
一方、六甲の過去問を解く土曜アップグレード講座ではとても苦戦を強いられ、こんな成績で本当にいけるのかと苦しんだ。しかし、最後はやっと合格最低点を超すことができた。六甲中プレや最後のルート六甲では良い成績を取ることができ、自信を持つことができた。
それから冬休みの入試直前特訓が始まった。帰りに友達と電車で帰ることが心の支えとなった。先ほども説明した通り、年明けは家族がコロナに感染して塾には行けなかったが、家で映像授業を聞いて踏ん張った。そうした様々な出来事が入試当日へとつながっていった。
そして入試当日、緊張と覚悟を持って六甲学院へと走った。長い坂を死にそうになりながら走って登った。その時の苦しさは今でも忘れられない。でも、もしかしてそのおかげかもしれない。落ち着いて試験を受けることができた。試験は難しく、試験終了後は絶望的な気持ちだった。
1月15日日曜日、ネットで合否を見た。驚きと興奮。胸に喜びが湧き上がり、今日は最高の日だと確信した。合格。その2文字に感激した。