私が3年間での塾生活において、ある意味で一番の思い出となったのは受験3ヶ月前になってSクラスからHクラスに落ちたことだ。確かに、6年生の夏ごろから成績は落ち始めていてHクラスに降りることも覚悟はしていたが、実際につきつけられるのはひどくみじめでくやしかった。でもそんな自分をかくそうと私なりにクラスメイトには明るく「落ちたんだー」と言った。ところがきっと馬鹿にされると思っていた私の予想とは裏はらに、はじめは小馬鹿にされたものだが、すぐに「H行ってもがんばれよ」とか「Hで100点とりまくれよ」など男子からも温かい言葉をかけられたことにびっくりし、うれしかった。
いよいよHクラスでの塾生活が始まった。Hクラスに落ちたからにはもう泣き言は言えない。そこで、まず苦手だった算数の基礎をしっかりやろうと思った。その算数の基礎をやっている内に思いもよらないことが分かった。私は全く基礎を理解せずに応用ばかり解いていたのだ。だから点数がとれないのだと今更ながら気付いた。こうして基礎をたたきこみ、授業にも積極的にとりくんだ。もちろん他教科も手はぬかず、宿題の量もへったのだからと思い、何度も反復した。この際なので言っておくが、これから受験する人たちは同じ問題でも何度もやると良い。さて、話は戻るが私は受験1ヶ月前にまたSクラスにあがることができた。基礎をたくさんしたおかげで、点数ものびた。
こうして月日はあっという間にすぎて関西学院中の受験当日。あまり緊張しなかったのに手応えが感じられず、同志社香里を受けながらずっと不安だった。その足で関西学院中学へ向かった。結果は合格だった。更に同じ所属教室から受けた他2人も合格し、とてもうれしかった。なんとも言えない満足感に満たされた。だが、ここまで来たのは私だけの力ではない。家族はもちろんだけれど、塾のメンバーとうちとけられたから塾もやめずに済んだ。塾で最高のメンバーにめぐり合ったことも今となってはとても良い思い出である。