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執筆:北嶺中・高等学校 数学科教諭 坂本 大樹

みなさんは素数とは何か知っていますか?素数とは「1とその数自身でしか割り切れない自然数」のことです。例えば、2、3、5、7は素数です。しかし、4や6や8は、その数自身でない数でも割り切れるので素数ではありません。

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4=2×2 ←2で割り切れる
6=2×3 ←2でも3でも割り切れる
8=2×2×2 ←2で割り切れる

素数は実社会でとても重要な役割を担っています。一番身近な所では、ウェブページを利用する際に、パスワードを必要とするログインページの「暗号化」に使用されています。暗号化の技術の中には「RSA暗号」というものがあります。簡単に説明すると、例えば53×37を計算してくださいと言われたらすぐに1961と計算できると思います。しかし、1961を素数をかけあわせた形になおしてくださいと言われたら…?すぐに53×37と答えることはできないと思います。つまり、素数×素数の計算は簡単ですが、素数をかけあわせた数を素数×素数の形になおす場合、時間がかかってしまうということです。「RSA暗号」はこの性質を利用しています。

また、素数は無限に存在することも知られています。なぜ無限に存在するのでしょうか?中学校以上ではある事柄が成り立つことを説明することを「証明」といいます。では実際に証明してみましょう。

(証明) もし素数の個数が決まっているとすると、その中に「最大の素数」というものが存在することになります。その数を□とおいてみましょう。そして「すべての素数をかけあわせたもの」を○とします。つまり○=2×3×5×7×…×□ とします。

次に、○の次の整数△、すなわち△=○+1=2×3×5×7×…×□+1を考えてみましょう。すると、△はどの素数2、3、5、7、…、□で割ってみても、1余ります。つまり、△は1とその数自身でしか割り切れない自然数ということになるから素数で、しかも□より大きい数です。最初に□が最大の素数だとしたのに、□よりも大きい素数が存在してしまった…矛盾ですね。よって□が最大の素数だという前提がおかしかったことになります。以上から、「最大の素数」は存在しない、すなわち素数は無限に存在することになります。(証明終わり)

これは「背理法」といって、古代ギリシャの時代に発明された証明方法です。

このように、みなさんが普段算数で習っている事柄は、なぜそうなるのかを先人たちが一つひとつ証明してきたものなのです。「これはこういうものなのだから結果だけ暗記しておけば大丈夫だ!」ではなく「なぜそうなるのだろう。」ということを日頃から考えながら学ぶようにすると、学習に深みが出てくるのではないでしょうか。

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