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執筆:金蘭千里中学校・高等学校 社会科 大園恭之

「あなたは何人ですか?」 と質問されたら,みなさんは何と答えますか?

「私は日本人です」
「日本人と○○人のハーフです」 などといった答えが聞こえてきそうです.

それでは,同じ質問を150年以上前(江戸時代末期)の人にしたら,どうでしょうか.

「おら,△△村の□□だべ」
「おいは,薩摩の西郷隆盛でごわす」 などでしょうかね.
(注.薩摩(さつま)とは,現在の鹿児島県の一部)

方言などの問題は置いておくとしても,
江戸時代の人は,もちろん「私は日本人です」とは言わないでしょう.
もしいたとしても,「朝鮮通信使」の行列を見た人が,
「彼らは外国人だ」という考えの反面として「私は日本人だ」と考える程度だったでしょう.

実は,この「あなたは何人ですか?」 と質問とその答えには,とても重要なことが隠(かく)れています.
それは,「『自分は何者なのか』という考え方や意識は,その時代や生活環境を反映している」ということです.

つまり,江戸時代の人には,生活のすべてであった「村」や「藩」という生活環境が,
自分を説明する基準にもなっていた,ということなんですね.
言いかえれば,江戸時代の人が,農作業をしながら世界情勢の事を気にすることはありえないということです.

このことは,現代に生きるみなさんにもあてはまるのではないでしょうか.
みなさんが「私は日本人です」などと考え意識するのは,
日本や外国などに日常的に接する時代環境に暮らしているからです.

さらに,今後,みなさんが,グローバル化という時代の流れの中で,
「私は地球人です」と考えるようになるのも,そう遠くない未来かもしれません.
(注.グローバル化とは,人々のつながりが地域・国家などから地球全体に拡大し,世界が一体化すること)

現代は,新型コロナウィルス(COVID-19)の情報を,世界中で共有し,団結して解決する時代です.
ラグビーの日本代表メンバーが,話す言葉や人種,国籍などのちがいを乗りこえて
多様性を持つワンチームとして活躍(かつやく)する環境も,身近に感じられます.
人々の考え方や意識は,これからもどんどん変化していきそうですね.

学校では,社会科をはじめ全科目を通じて,みなさんを人格的に高めようという授業が行われています.
授業は,さまざまな知識を学習することが主となりがちですが,
同時に,考え方や意識,時代や生活環境に思いをめぐらすことにも,ぜひチャレンジしてみてくださいね.