みなさんは、「参勤交代」いう言葉を知っていますか？　5年生以上のみなさんは、意味をしっかりと説明できる人も多いのではないでしょうか。

では、「参勤交代の目的はなに？」と聞かれたら答えることができるでしょうか。

「大名に多くの出費をさせることで、反乱を防止すること」という答えが聞こえてきそうです。でも、これは正解とは言えません。「えっ！？　この答えであっているのではないの？」と思いませんでしたか？　これは、参勤交代の「結果」であって、「目的」ではありません。どういうことか説明しましょう。

確かに参勤交代によって、大名は多額の負担を強いられるようになり、反乱をする体力を奪われたのは事実です。でもそれは、参勤交代の結果おこったことであって、江戸幕府が大名の体力を奪うために、参勤交代を行ったということではないのです。

では、参勤交代の本当の目的は何なのでしょうか。

みなさんは、鎌倉時代の学習で、「御恩と奉公」という言葉を習いませんでしたか。将軍は御家人の土地を認めたり、土地を与えたりする（御恩）。そのかわりに御家人は、命を懸けて将軍のために戦ったり、鎌倉や京都を守ったりする（奉公）。鎌倉時代の武士は、この「ギブ アンド テイク」（もらったらお返しする）の契約で成り立っていました。

実は江戸時代もこの原則は同じなのです。大名は、将軍に領地を与えられ、認められました（御恩）。そのお返しに、大名は…。もうわかりましたね。大名は、そのお返しに、（難しい言葉でいうと「平時の軍役」として）参勤交代を行っていたのです（奉公）。

参勤交代の目的とは、「将軍と大名の、主従関係の確認」といえるでしょう。

歴史というと、暗記科目であるイメージが強いと思います。でも、ものごとの原因は？　結果は？　目的は？　と考えてみてください。きっと新しい発見があって、今よりもっと歴史が楽しくなりますよ！

進学教室浜学園