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「良心の涵養」を教育理念に1875年の創立以来、30万人を超える卒業生を輩出している学校法人同志社。今回はそんな同志社の中で、唯一大阪にある同志社香里中学校・高等学校を訪れ、校長である瀧 英次先生にお話を伺いました。

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同志社香里中学校・高等学校 校長 瀧英次先生と浜学園経営企画室渉外担当 山田

教育の三本柱から、自治自立の精神を持った人物へ

―本日はよろしくお願いいたします。まず御校の教育理念や教育の特色について教えてください。

本校は、大阪で学ぶ同志社の「志」を掲げ、大学や大学院への進学を見据えた大きな視野での一貫教育を展開しています。1961年に創立されて以来、自治自立の精神を持って良心のもとに行動できる人物の育成を目指してきました。生徒たちに確かな学力を身につけてもらい、個性を伸ばすような教育をしていきたいと思っています。
また、95パーセントの生徒が進学先として同志社大学や同志社女子大学を選択するので、大学受験がない分、確かな学力と人間力を身につけることに力を入れています。
本校の教育の三本柱として「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」を定めています。キリスト教主義では、日々の礼拝や聖書の授業を通して隣人愛の精神を学ぶと共に、いかに生きるべきかを考え、あたたかい心を養うことを目標としています。自由主義では行動力を磨き、広い視野を身につけさせることを狙いとしており、生徒会・自治会活動や課外活動など自分で考え、判断し、行動する活動を取り入れています。国際主義では、多彩な国際交流の機会を通じて国際人に必須となる共生の心を養うことを狙いとしています。そのために、海外研修や海外留学生の受け入れ、英語でのスピーチコンテストなどのプログラムを設けています。

生徒たちの表現力を高めていく学習

―御校が、これからの時代を見据えて取り組まれているICT教育について教えてください。

前提として受験のための勉強のみならず、のびのびと主体的な学びをしてもらうために、ICT教育に重点を置いています。タブレットを用いて自分で問題を見つけ解決していくという学習方法は、大学に進学した後も継続されていくものだからです。ICTとは「Internet and Communication Technology」の頭文字をとったものですが、その中でも特にCommunicationが大切であると考えています。そのため、タブレットを用いて自己表現することを意識しています。また、昨年には各教室にWi-Fi環境を整えると共に、電子黒板を設置しました。

ハード面が整った今年からは、タブレットを先生方がどのように活用して授業を展開し、生徒たちの表現力を高めていくかということも考えていきたいと思っています。一方、生徒たち自身が自分を正しく表現するためには、本を読むことが必要不可欠だと考えています。読書週間などを設けて、生徒に本に触れる機会を多く提供しています。
ただタブレットを使用させるのではなく、中学生には単語や漢字の学習の際など、しっかりと手で書かせる機会も提供しています。タブレットでレポートなどの文章を作成する際においても、ロジックをしっかり確立させ、組み立てを白紙の紙に表してから、文章を書き始めるように指導しています。それでないと人に伝わる文章は書けませんから。このようにしっかりと筋道だった文章を書く練習をした上で、高校生になったらタブレットをツールとして利用し発表をさせる機会を多く設けるようにしています。新しい学習指導要領のもとで、公立の学校ではこのように文章を書く練習をする時間が減ると考えられるので、これは大きなメリットになります。

理科・社会の発表から模擬裁判選手権まで

―授業においてはどのようにタブレットの活用がなされているのでしょうか。

現時点では理科や社会の学習でタブレットが積極的に活用されています。自分の考えをできるだけコンパクトにまとめたり、与えられたテーマについてそれぞれが調べ、アイデアを共有したりして発表するなどの学習が行われています。社会では県や国を当て合うクイズを作らせたり、旅行のプランをそれぞれで考えてコンテストを行ったりしています。高校では、タブレットを用いた学習を応用させて模擬裁判選手権に参加し、昨年は準優勝、一昨年は優勝という成績を収めました。

生徒がより使いやすい“香里の森”のような図書館

―御校は、これからメディアセンターを設立される予定であると伺いました。詳しくお聞かせいただけますか。

ICT教育に力を入れるといっても、本校が他校よりも遅れていることは承知していました。その遅れを取り戻すべく、2020年度末にメディアセンターを設立することを予定しています。構想テーマは「静と動の混在する図書館」。従来の図書館にもある個で学べる自習スペースの設置はもちろん、グループ学習で使用できる場やクラス全体で学べる場を確保することを考えています。より生徒にとって使いやすいメディアセンターにするために、実績のある設計会社数社によるコンペティションを行いました。そこで選出されたのが、“香里の森”構想が盛り込まれた今の案です。現在、担当者に東京から来てもらい、細部を詰めていっているところです。生徒が一番集う場であった中庭にメディアセンターを設立する予定なので、積極的に活用してもらえると思います。また、本に触れてもらう機会として図書館があったものの、活用の頻度が伸び悩んでいたので、これを機に図書館を身近に感じ、本を読むことにつなげてほしいと考えています。

―どうもありがとうございました。


⇒同志社香里中学校・高等学校HP

取材日:2019年5月9日