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進学教室浜学園が独自の切り口で中学校を取材し、その魅力をお伝えしていきます。

桜の名所である夙川オアシスロードが通学路となる甲陽学院中学校。その根底には、環境は生徒の情操に大きな影響を与えるという創立当時から根付く考えがあります。生徒たちは「明朗・溌剌・無邪気」の校風のもと、毎日のびのびと学校生活を送ります。今回はそんな甲陽学院中学校の校長である今西先生にお話を伺いました。

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甲陽学院中学校 校長 今西昭先生と浜学園経営企画室渉外担当 山田

型にはまらない教育を行い、生徒の希望を叶える

―本日はよろしくお願いいたします。はじめに、御校の建学の精神や教育方針について教えてください。

本校には2つの建学の精神があります。1つ目は「生徒を型にはめないで自由に育てたい」というもの、2つ目は「学校を取り巻く環境に配慮する」というものです。
本校の歴史は今から102年前、1917(大正6)年にさかのぼります。初代の校長は大阪で中等学校の校長を務められていた伊賀駒吉郎氏。官立の型にはまらない学校をつくりたいという想いから、甲子園に誕生しました。戦時中、本校の財団は旧制中学校と高等商業学校を有していましたので、終戦直後に行われた学制改革では、高等教育機関としての大学を作ろうという案もありました。しかし、本校は中等教育に特化する道を選択しました。大学を作る代わりに、希望する大学に入れるような力を身につけてもらおうという考えからでした。このころに、「大学進学の際に生徒の希望を叶える」という本校の教育方針が誕生しました。

中高の立地を分け、接し方にメリハリをつける

―御校の特色はどのような点にありますでしょうか。

本校の特色は中高一貫の6年制の学校ながら、中学校と高等学校でキャンパスの立地を分けているということです。戦時中に香櫨園にあった高等商業学校を中学校の校舎に、甲子園にあった旧制中学校を高等学校として使用したため別々の立地になったのですが、結果的にキャンパスを分けることは意味があることだったと考えています。本校では中学生は「大きめの子ども」、高校生を「小さめの大人」と考えています。そのため、中学生には制服着用、持ち物などの規則を設け、また学習の習慣をつけるために宿題を課し、手取り足取り面倒を見るという姿勢で接します。一方高校生になると大人扱いに慣れてもらいたいと考えていますので、私服登校やスマートフォンなどの持ち込みも自由に認めています。自分で自分を律することができるようになるからです。別立地にすることで、このようなメリハリをつけられます。

生徒の状態に応じた6年間のカリキュラム

―カリキュラムはどのように組まれているのでしょうか。

本校では6年間のカリキュラムを組んでいます。中高一貫校は中学1年生から高校2年生までの5年間で6年間分の勉強をし、高校3年生は大学入試に向けて演習をするといったイメージがあると思いますが、本校では教科によって進度が異なります。理科や社会は5年間で学習範囲を終えることはほぼありません。生徒たちに興味を持ってもらうことを優先して授業を行っているからです。一方、数学は先取り学習ができる教科です。そのため高校3年生では演習を中心に行います。国語は精神年齢に依存する科目ですから、先取り学習は難しいと考えています。しかし、古文や漢文の文法などは中学生でも理解できますので、そのような基礎的な知識は早期から教えるようにしています。また、各教科をどのようなスピードで進めるかについてはすべて教科の担当者にゆだねられていますので、生徒の状態に応じて進捗具合を調整できるところも特徴です。このような方法で授業を進めていくため、英語・国語・数学の授業は中学1年生から高校3年生までだいたい同じ教員が担当します。

高校2年生で文理を選択、生徒の自由意思を最優先

―文系・理系の選択時期、進路指導のあり方についてお聞かせください。

高校2年生で文系と理系に分かれます。割合は年によっても異なりますが、近年は文系が25%、理系が75%ほどです。本校ではホームルームのクラスを文系と理系で分けていません。数学など文理の別が必要な場合は、授業の際に選択科目により別々の教室で学びます。また、国語や英語などは、理系国語などを特別に設けることなく、文系と理系の生徒が同じ教室で授業を受けます。自分と異なる意見や感性を持つ人々と交流し、互いを知り、尊重するよい機会になっていたと卒業生には概ね好評です。
進路指導に関しましても、生徒の自由意思を最大限に優先しています。そのため、本校には進路指導部がありません。その代わりに、大学の情報など進学に関する様々な情報を提供する進学資料室があります。もちろん生徒の相談には応じますが、最終的には自分の進路を自分自身で考え、決断してほしいと考えています。

従来の国公立大学対策を継続

―大学入試改革への対応はどのように考えていらっしゃいますか。

センター試験の代わり採用されるテストにおいても勉強方法は従来と変わらないと考えています。新テストの国語の記述式問題は自己採点ができるようになっています。客観的に、しかも短時間に自己採点できるような問題ですので、選択式の問題を解くのとあまり違いはありません。また、国公立大学の二次試験は従来から記述式が多く採用されていました。そのため、国公立大学に多くが進学する本校の生徒においては、受験勉強の方法は変わりません。生徒が不安になることがないよう情報の提供はしっかり行いますが、世間の情報に振り回されたり、浮き足立ったりすることなく、今までやってきたような勉強法で試験に臨めるよう徹底していきたいと考えています。

―どうもありがとうございました。


⇒甲陽学院中学校・高等学校HP

取材日:2019年3月28日