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1963年から、徳・健・財の三拍子がそろった姿でルールを守り、世の中のために尽くせる人間を育成することを目標としている清風南海中学校。
南海線の高石駅から徒歩7分の位置にあり、生徒が過ごす校舎は新たに建てかえられ、築6年目になります。今回は、そんな環境で日々の充実した学校生活を送ることができる清風南海中学校の、入試広報部 伊藤豪紀先生にお話を伺いました。

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清風南海中学校 入試広報部 伊藤 豪紀先生と浜学園経営企画室渉外担当 山田

徳・健・財の三拍子がそろった、安心・尊敬・信頼される人へ

―本日はよろしくお願いします。はじめに、御校の教育方針や建学の精神についてお聞かせください。

本校の教育方針は「勤勉と責任とを重んじ、自律的精神を養うと共に、明朗にして誠実、常に希望の中に幸福を見出し、社会の全てから『安心』と『尊敬』と『信頼』の対象となり、信用され得る人物を育成するため、仏教を中心とした宗教による教育を実施する」です。中でも「将来、安心・尊敬・信頼される人物になれ」ということは創立者である平岡宕峯(とうほう)先生が常におっしゃっていたことであり、現在でも重んじられています。勉強ができるだけではなく、人として相手のことを考え、自分も相手もみんな幸福になれるような人間の育成を目指しています。
そんな人間になるためには、今何をすべきか。そこで定められたのが本校の建学の精神です。それは「徳・健・財、三拍子そろった姿でルールを守り、世の中のために尽くす人間となるために、勤勉努力する理想的な人物を育成する」というものです。今回はその中でも「徳・健・財」についてお話します。
「徳」を積むということは、自分と相手とがウィンウィンの関係でいられることを心掛けよということです。相手にばかり尽くして自分が心身ともにボロボロになってしまう状態ではなく、自分は幸せだが相手はそうではないという状態でもなく、自分が幸せになるために行う行為が、周囲の人をも幸せにするということを理想としています。
「健」とは、漢字の通り健康でいようということです。夜更かしや暴飲暴食を避け、睡眠時間をしっかりと確保し、毎日3食食べるという規則正しい生活習慣を実践するよう指導しています。
「財」とは、単に財産を築くということではありません。お小遣いやお年玉など、人からいただく尊いお金の使い方をしっかり考えようということです。そのために生徒たちには、予算を立てることを推奨しています。いただいたお金をすぐに使ってしまうのではなく、小しずつでもいいので貯金を続け、本当に買いたいものを買うといった予算生活の実践者になってほしいと考えています。

創立者を倣い、仏教信仰の道に触れるための修養行事

―御校は宗教校でいらっしゃいますが、仏教を中心とした宗教教育についてお聞かせください。

本校の創設者は、高野山真言宗の阿闍梨(あじゃり)の位を持つ平岡宕峯先生です。宕峯先生が日本の将来を担うリーダーを育成するために創立されたのが、清風南海です。そのため本校に通う生徒は、中学校で学ぶ生徒でありながら、同時に宕峯先生の弟子でもあるのです。厚い信仰心を持って数々の試練や苦難に立ち向かい、乗り越えられた宕峯先生のように、生徒にも信仰の道に触れてほしいという思いから、本校では年に一度、修養行事を行っています。この行事は参加が必須となっており、万が一欠席した場合には進級や卒業ができないほど重要な行事として位置づけられています。1年時では高野山へ赴き、受戒、護摩供養、写経などの修行体験を行います。2年時では日本最古の木造建築である法隆寺で、般若心経を読誦(どくじゅ)します。3年時では、宕峯先生の信仰が厚かった伊勢神宮に参拝し、感謝の気持ちを神様にお伝えします。
また、隔日で中学・高校に分かれて全体朝礼を行い、般若心経を読誦します。全体朝礼がない日も、教室で般若心経を読誦するところから一日が始まります。心が落ち着き、引き締まった雰囲気で授業を受けることができます。
さらに、本校では週1回「宗教」の授業が行われます。畳張りの部屋で僧侶である先生が、お釈迦様の生涯や教え、般若心経などを説き、人生の意味や生き方について考える時間となっています。

授業は納得できるまで理解、予習・授業・復習のサイクルを徹底

―御校が掲げておられる「授業第一主義」についてお聞かせください。また、御校では多くの生徒さんが国公立の大学に進学されていますが、指導上の特色について教えてください。

授業第一主義とは「授業を一番大切に考えてもらう」ということです。我々は、日々の授業を納得できるまで理解して帰宅してほしいと思っています。そのためには、予習と復習が必要です。授業の前日には、教科書を見たり、分からないところを少し調べたりなど心の準備をしてから授業に臨んでほしいと考えています。予習をすることで、自分の分からないところや質問したいところが把握できるからです。また、授業を終えてからの復習では、本当に授業内容を理解できたのかどうかをチェックしてほしいです。教科書などを見て授業の内容を思い出し、理解があやふやなところがあればノートを見る。さらにわからないところがあれば、翌日に友達や教員に質問するよう指導しています。予習、授業、復習のサイクルを経ることによって、毎回の授業で教わった内容をしっかりと身につけることを目標としています。

全生徒が海外留学に参加できる

―御校はSGH(スーパーグローバルハイスクール)に認定されていますが、SGHであることの意義について、どのようにお考えですか。

実はSGHに認定される前から、イギリスに2校、オーストラリアに1校との交換留学制度がありました。しかし交換留学ですから、向こうから日本に来て学びたい生徒がいて、本校が彼ら彼女らを受け入れる体制を構築して、はじめて本校の生徒が交換留学に参加できます。そのため、毎年何人の生徒が交換留学に参加できるかが予想できなかったのです。しかし、SGHに認定された以後は体制が整い、グローバルコース生だけではなく、全生徒に在学中に1回は海外を経験してほしいと考えられるようになりました。
後に詳述しますが、中学2年生では全員がニュージーランドに行く機会があります。しかし、本校には高校から特進3か年コースに入学してくる生徒も40人いますが、今までは海外を体験する機会がほとんど与えられていませんでした。SGHに認定されてから、そのような生徒たちも、ニュージーランドでホームステイを経験するというプログラムに参加できるようになりました。

海外留学、文化・芸術の日、ポスターセッション

―御校では学校行事やクラブ活動、体験プログラムも大変盛んだと伺っています。特徴のある活動がありましたら、お聞かせください。

海外を自分の目で見るために、中学2年生の10月に全員がニュージーランドに1週間の語学研修に出かけます。中学校に入学して1年と半年ほどで学習した英語がどれほど外国で通用するのか。それを試すべく、4~5人が1チームとなり、ホームステイを行います。実際に自分で英語を使うことによって自信がつき、帰国した多くの生徒が「次に行くときはもっと英語を勉強してから行きたい」と話します。
また、政府だけではなく、官民協働のもと、社会総掛かりで取り組む「留学促進キャンペーン」として発足した「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」を使って、自分が立てた留学計画に沿って海外に飛び立つ生徒も数多くいます。平成28年度は13名、平成29年度は10名で、採択数が本校は日本一となりました。このプログラムは高校生から応募することができるのですが、留学に対する熱意が中学3年生にまで広がり、中学生のうちから、留学について考える生徒が増えてきています。
また、9月に行われる「文化・芸術の日」も盛り上がる行事の一つです。運動部に所属する生徒は、表彰されることなどによって活躍が分かりますが、文化部に所属する生徒は、なかなか脚光を浴びることがありませんでした。そこで、文化部の日ごろの頑張りを発表する場として始まったのが、文化・芸術の日です。この行事は、実行委員をはじめとした生徒が中心となって計画から実行まで行います。プログラムの中には文化部の発表のみならず、中学1年生から高校2年生の各クラスによる出し物もあるのですが、この出し物の順番や希望が被ったときの調整など、企画・運営はすべて生徒たちが行います。

中学生の総合の時間を用いて行うポスターセッションも特徴のある活動です。グループを作り、そのグループで1つのテーマを設定し、調べ学習を行いますが、グループの形成方法もユニークです。例えば、昨年度の中学3年では、普段はスーパー特進コースの生徒と特進コースの生徒は異なるクラスに属し、一緒に授業を受ける機会は少ないのですが、このポスターセッションでは、両コースを合体してシャッフルし、スーパー特進コースの生徒4人、特進コースの生徒4人が集まって、8人のグループを形成しました。生徒たちは、2015年9月の国連サミットで採択された、持続可能な開発目標(SDGs)に挙げられた17個から1つをテーマとして選びます。SDGsの目標である「質の高い教育をみんなに」をテーマにしたり、貧困問題や発展途上国の問題である「飢餓をゼロに」をテーマとしたりする生徒もいました。1つの目標をテーマとして選んで調べ学習を始めますが、徐々に生徒たちは調べた内容の中に2つ、3つの目標が関係していることに気づいたようです。最終的には、ポスターにまとめて発表します。ポスターセッション発表会に来てくれた人を、いかに聞く気にさせるかが重要です。

ぜひ学校に足を運んで、生き生きとした生徒の雰囲気や教師と生徒との関わり、授業の様子などを見に来てください。

―どうもありがとうございました。


⇒清風南海学園HP

取材日:2019年3月8日