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「イメージ化の力」は10歳までに育てたい

絵本に対して抱くイメージは、発達段階ごとに違います。たとえば宮沢賢治『注文の多い料理店』を例に挙げると、子どもが小さい頃なら「お約束は守らないとダメだね」というメッセージを読み取るでしょう。しかし大人にとっては、痛烈な社会風刺の作品ですよね。
これは私見ですが、「本を自由に読むこと」によって読書の力が広がるのは、だいたい10歳くらいまでなのではないかと思っています。子どもに基本的な生活習慣のしつけをするときには、「つ」のつく年齢(1つ〜9つ)までにしておくのが望ましいと一世代前までのお母さん方は考えていました。あれと同じです。だから、10歳くらいの歳までに数多くの直接・間接体験を通じて「言葉を使ってイメージ化する力」を育てるのが思考力の育成に大切だと思います。

「言葉からイメージ化ができる子」「できない子」には明確な差がある

言葉からイメージ化する力を養うためには、絵本による間接体験が必要不可欠です。
たとえば記憶力を試すために、「おはなし」を耳で聞いたあと、その内容をあとから話させるというテストが小学校入試で行われることがあります。「あるところにお山がありました。そこに赤い屋根のおうちがあって、きつねの親子が住んでいました……」というような「おはなし」ですね。
ここで、「言葉からイメージ化する力」がついている子は、再生がスムーズにできます。実際に、「お山があって、赤い屋根のお家があって……」という光景を頭の中でイメージできているんですね。ときには、こちらの与えた情報以上のことを想像で補ってくれることもある。「きょうだいはこんな服を着ていてね」とか、「男の子が何人で、女の子が何人で」なんていう風に、細部まで想像して、こちらに話してくれるんです。
一方で、単純な「記憶テクニック」で覚えようとしている子は、再生がスムーズにできません。人は言葉を媒介にしてイメージにより思考します。言葉だけで覚えるのには限界があります。どうしても、「イメージ化ができる子」と比べると明確な差が出てしまいます。それは、子どもの目線を見ていても明らかです。「イメージ化のできている子」の目線はずっと上がったままですが、「言葉だけで覚えている子」は目が泳ぐんです。

絵本には創造性の魅力がある

私は、入学式のお話にも絵本を使います(今年は『ともだちや』でした)。子どもだけでなく、保護者の方が感動して泣いてしまわれることもあります。そのくらい、絵本には創造性の魅力があるのです。アナログの絵本の持つ力は、デジタルのDVDやテレビには置き換えられないものです。
私は、小学校6年間は、ずっと絵本に親しんでいてもいいのではないかと思っています。言葉からのイメージ化が十分にできるようになっても、自分の描いたイメージとの違いに気付かされたり感動することもあるのです。