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文学で知る人の心~明治文学から~

執筆:北嶺中・高等学校 国語科教諭 紀國谷 和隆

みなさんは、「歴史」と「文学」のちがいを考えたことがありますか?
歴史は、昔に本当にあったできごとを記録したものです。戦いや政治のこと、建物が建てられた年など、事実をできるだけ正しく伝えようとします。一方で文学は、小説や物語のように、必ずしも本当にあったことをそのまま書くわけではありません。作者が想像をふくらませたり、話をおもしろくするために脚色を加えたりします。だから「文学=事実」ではないのです。

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『坊っちゃん』から学ぶこと

 夏目漱石の『坊っちゃん』は、明治時代の地方の中学校で教師として働く主人公の物語です。
主人公は正義感が強く、いじめや不正に立ち向かおうとします。しかし、学校の中には権力やしきたりに従う人もいて、すぐには理解してもらえません。

この物語を読むと、当時の日本にはまだ江戸時代の封建社会の名残があることがわかります。教師同士や生徒との間には厳しい上下関係があり、目上の人には敬語を使い、上役の意見には逆らえません。また、主人公が理不尽な校則や不正に立ち向かおうとすると、周囲の人たちは「世間体を守ること」を優先します。

ここで大切なのは、現代の価値観で昔の人を批判してはいけないということです。当時の人々は、今とは違う社会のルールや考え方の中で行動していたのです。文学を通して学ぶときは、当時のルールや価値観に目を向け、「その時代の人々はこう考え、こう生きていたのだ」と理解することが大切です。

『羅生門』から学ぶこと

 芥川龍之介の『羅生門』は、100年以上前に成立(しかも物語の舞台は平安時代末期)した作品です。下人が飢えや貧しさに苦しむ極限の状況が描かれます。老婆(媼)が死骸から髪の毛を抜いて生計を立てる場面や、下人自身が盗みを正当化した行動原理を語る場面があります。読むと、「えっ、そんなことを!?」と驚くでしょう。

でもここで覚えておきたいのは、現代の道徳や倫理観だけで下人や媼を断罪してはいけないということです。彼らの行動は、極限状態で生きるための選択でした。当時の社会や状況を理解し、その心の動きを知ることが文学を読む意義なのです。

文学が伝える力

 歴史は「できごと」を伝え、文学は「人々の心のあり方」を伝えます。
『坊っちゃん』では、個人より集団(家や藩)を優先していた明治時代の人々の心のあり方を。『羅生門』で時代や状況によって人間の行動がどう変わるかを、より深く考えることができます。文学は、昔の人々の心を理解する大切な手がかりです。ぜひ文学に触れて、私たちの日本人の心のルーツを体験してみてください。