保護者として子どもに伝えること

　子ども本人が、どれくらい「絶対にその学校に行きたい！」と言っているかというのが問題なのですが、私なら「第一志望校は不合格になる可能性があるよ」「もし受験するのなら記念受験のようになる可能性もあるよ」「それでも、あなたが受験したいのなら、第一志望校の直近の過去問を見ておきたいよね」と伝えるでしょう。
それでも子ども自身が「挑戦したい！」「受験してみたい！」というのであれば、私は受験させると思います。

結局、どこの中学校に進学しても中学の内容の勉強をするので、受験後の進学先についてはあまり気にしないでよいのではないかと考えます。大学であれば学部や学科が違ってきて、それが就職などに影響するのですが、中学校は進学先が変わっても学ぶ内容に関係しません。

子どもが納得する選択を

　中学受験で大切なのは、子どもが小学校6年生まで真剣に受験勉強をしてきて「あの憧れの学校！」「あの学校の入試問題を解きたい！」と思って頑張ることです。
しかし保護者が「いやいや、安全策をとって、その学校は受験しないでおこうか」「こっちの学校を受験しようか」と言うこともあるでしょう。ただ、子どもに「不合格になるかもしれないけれど受けてみたいなあ･･･」という気持ちが残るのは、まずいのではないかと私は思うのです。
受験して不合格になるなら子どもは納得するでしょう。しかし受験せずに安全策をとって違う学校ばかりにするのは、子どもにとって納得いかないかもしれません。

受験日程を考慮に入れて具体的な話し合いを

　子ども本人が「絶対に受験したい！」と言っているなら、私は受けさせるでしょう。ただ、第一志望校と第二志望校の入試日が同じなこともあります。そうすると「第一志望校を受験するなら第二志望校は受けられないよ。第一志望校が不合格になれば第三志望校に進学する可能性もあるよ。それでもいい？」ということを子どもに確認します。
子どもは「第一志望校に合格する！」と思っていますから、試験後のことまで考えていないことが多いです。ですから、実際に第一志望校以外の学校に通うかもしれなくなった時に、それでもよいかどうかを一度考えさせてみるとよいでしょう。

第一志望校にこだわって受験すると、そこに不合格だった場合、第三志望校に進学するということでよいのか、それとも第一志望校と入試日が同じ第二志望校のほうが第三志望校よりも通いたいと思うのか･･･こういったことを確認するとよいですね。もし子どもが後者のほうがよいと言うなら、第一志望校はあきらめて第二志望校を受験したほうが進学できる可能性が高いのではないかと伝えるとよいでしょう。

現実的な話ですが、こういうことはシビアに子どもに話したほうがよいと考えます。
これを聞いて子どもが「第三志望校より、やっぱり第二志望校に行きたいかも･･･。第一志望校よりも第二志望校のほうが偏差値も足りているし･･･」と言って受験校を変更することもあるのです。子どもにとっては、中高一貫で6年間通う学校名などが大切だったりもするので。
それでも子どもが「第三志望校に通うことになってもいいので、第一志望校を受験する」ということもあります。その時は私なら「第一志望校を受けよう」と言います。

私は個人的には、せっかく今まで頑張って受験勉強をしてきたのに受験したい学校を受験しないまま安全策をとって変更することは、子どもの心に残ると思うのです。ですが第一志望校に当たって砕けろで「負けた～」なんて言って帰ってくると、子どもは「ダメだったかあ〜」と言いながらも、それなりに消化して第三志望校などに進学していくのです。

子どもは入試日程のことなど、そこまであまり考えが及んでいないでしょうから、具体的な日程を見ながらお家で相談することが重要だと思います。そして実際に通うかもしれないということについても、話し合っていただきたいです。

ＰＯＩＮＴ

• 受験日程を考慮に入れながら子どもと具体的な話をする
• 第二・第三志望校に進学する可能性についても相談したうえで受験校を考える
• どこの中学校に進学しても学習することは変わらないことを心に置いておく
• 子どもの心に思いが残らないようにすることも大切

進学教室浜学園