思春期の中学受験は永遠の課題・・・年頃の受験生に寄り添う心得
小6女子の母です。受験生にどのように寄り添えばよいのか悩んでおります。年頃ですので、子どもとの距離感をつかむのに苦労しております。付かず離れずがよいとは思いますが、なかなか難しいです。「勉強しなさい」と言うのもどうかと考えてしまいます。
一人の大人として接する必要があります
これは永遠の課題かなと思っています。
長年、6年生の受験指導をしてきますと、男の子と女の子ではずいぶん感じが違うのがわかります。
男の子の多くは、まだ子どもというか、幼い感じが残っています。一方、女の子は精神的にも大人になってきます。例えば将来こんなふうになりたいとしっかり考えて「あの学校に行きたい!」と思っている子もいます。(もちろん個人差はあります。)
中学受験はよく保護者の受験だと言いますが、保護者の方が置いていかれるような頑張りや意識の高さを子どもがもつこともあります。特に最後の数か月、受験が子どもにとって本当に自分の目的になった時の伸び方というのは、目を見張るものがあります。
今回のご質問者の方の場合、女のお子さんですから、きっと受験勉強をしなければいけないことも、よくわかっているのだと思います。6年生の女の子の場合、保護者がお子さんに対して「一人の大人」という感覚をもって接することを心がけてあげてください。
お子さんの話を聞いてあげてください
例えば、子どもが勉強している間にいろいろなことを準備してあげたり、受験が近くなってきて寒い季節になったときに羽織るものを用意してあげたり、何か面と向かってのものではない、子どもに対する愛情や思いやりを示すと、子ども(特に女のお子さん)は6年生ぐらいになると「ありがたいな」と思ってくれると思います。
ただ、面と向かっているときは、お子さんは、今必死になって大人が経験してきたことに立ち向かおうとしていますから、保護者の方は大人の感覚で話を聞いてあげることが大事ですね。特に、今、何を意識としてもっているのかということはぜひ聞いてあげてください。
それに向かって「お父さんはこうできる」「お母さんはこうできる」というように言ってあげてください。あるいはお父さんお母さんの経験で、「いや、でもこうするべきだ」「こうした方がいいんじゃないか」ということを言ってもよいでしょう。このような場合は、ちゃんと先に意見を聞いてあげてからにしてください。
子どもはいろいろ考えていますので、親が先に全部言ってしまわないことが大切です。そういう姿勢はおもちいただきたいと思います。
全てに当てはまるとは思いませんが、私が特に低学年のお子さんの保護者の方にお話しすることがあります。
子どもの思いを受け止めてから、距離感を考える
いわゆるおじいちゃん子、おばあちゃん子といわれる子たちは、ときとして学年が低くても、自分の思いを表現するのがとても上手だったりします。また、国語力が高かったりします。これはきっと、おじいちゃんおばあちゃんは孫がかわいいので、自分のことを押し付けるのではなく、孫の言うことを聞こうとしているからだと思います。
だから、子どもも自分の意見を言うし、言った限りは責任をもたなければと思います。そういうことが身につき始めます。
保護者の方はお忙しい年代だったりすることもあり、全てにおいて自分の意見を押し付けてしまうようなこともあるかもしれません。このようなことが、実は大人になっていく段階ではとても鬱陶しく感じてしまうことがあるのではないでしょうか。
ぜひ、保護者の方の感覚で見た距離感ではなく、「子どもが発したこと」「言ったこと」「思ってること」、これらを受け止めてから、距離感をお考えいただくとよいかと思います。
保護者の方のほうが経験値があるのは子どももわかっていますから、子どもの気持ちを聞いた上でのアドバイスをしていただくとよいかと思います。
これは難しい課題ですからこれで解決とは思いませんが、少し試みていただけたらと思います。
まとめ
- 子どもに対して「一人の大人」という感覚をもって接する
- 子どもはいろいろと考えているので、親が先に全部言ってしまわないことが大切
- 子どもの気持ちを聞いた上で、互いの距離感を考える